先進国の中で、日本の生産性が圧倒的に低いのは何故でしょうか。この記事では、日本の生産性が低い理由と、これからの日本社会で生産性をあげる働き方を紹介します。
日本の生産性が低い理由
生産性の種類の中で最もよく用いられるのが労働の視点から見た生産性、つまり労働生産性です。
労働生産性の計算式は
労働生産性=生産量÷(労働者数×労働時間)です。労働投入量1単位当たりの産出量・産出額として表され、労働者1人当たり、あるいは労働1時間当たりどれだけ成果を生み出したかを示すものです。
計算式で用いられる生産性とは、付加価値とも言い換えられます。つまり、労働生産性をあげるには、生産性(付加価値)をあげるか、労働者数を減らすか、労働時間を減らすか、この3つで決まることになります。ということは、日本の生産性が低いということは、付加価値の低い仕事ばかりしてる、社員が多すぎる、長時間労働している、このどれかになるのです。今回は、この労働生産性の計算式も考慮しながら、日本の生産性が低い理由を紐解いていきます。
昭和の働き方を引きずる上司(労働時間)
あなたの職場には昭和の働き方を引きずる上司はいないでしょうか。日本の長時間労働はこれほどバッシングされているにも関わらず、一向に改善ていません。日本の労働時間が長いのは、主に残業時間が原因です。例えば、今の50歳前後のサラリーマンは、家に帰ると居場所がないので、無駄に会社に長くいたり、無駄に取引先との飲み会を設定して帰りを遅らせる人もいます。また、パソコンスキルに乏しくマクロを組めば一瞬で出来る資料作りを何時間もかけて作っている人もいます。あとは、「周りが残業しているから何となく帰りにくい」と言った雰囲気も残業の一因です。効率よく作業し、定時に上がると「この人は会社に忠誠心がない、やる気のない人だ」と判断されることさえあります。
窓際族も辞めさせず人数が多すぎる(労働者数)
生産性を決める、労働者数にも原因があります。日本企業は解雇が難しいため、50代以降のやる気をなくした社員も雇い続けなければなりません。大企業ですと、利益を産むのは一部の部署だけの場合もあり、掃き溜め部署も作りやすいです。掃き溜め用の何をやっているのかわからないような部署を作り、生産性は低いのに年功序列で高収入を支払い続ける状況がよくあります。言うまでもなく、このような解雇できない日本の仕組みは生産性を下げる一因でしょう。
日本の法律に基づいた多すぎる社内ルールに従うだけの仕事(付加価値)
生産性には付加価値の提供も必要ですが、日本企業では、付加価値を産む仕事より、ルールに従う仕事が評価される傾向があります。そもそも日本は規制が多過ぎるのです。企業も日本から干されたら困るので、ルールのための仕事がどんどん増えていくわけです。
生産性向上に貢献しよう!生産性を高めて社会で生き残る方法
これからの日本では、生産性向上に寄与できる人材が重宝されることでしょう。ここでは、生産性を高めて日本社会で活躍し続ける方法を紹介します。
業務の見える化
業務一覧を作り、業務の見える化→改善を徹底しましょう。誰が、どの業務を、どれくらいの頻度で、どれくらいの時間をかけ取り組んでいるか、部署の全員が把握しましょう。その際、つい忘れがちな業務、地味で目立たない業務、季節業務、レア業務、属人化した業務も全て洗い出しましょう。全員が行う業務は、一番効率的に作業をこなす社員の取り組み方を取り入れます。特に残業が多い社員の仕事にかける時間を把握し、業務量の調整や、効率化を図るよう指導することが大切です。
業務の自動化
IT人材やAI人材を積極的に活用し、業務の徹底的な見直しを図る必要があります。業務の自動化と効率化を測り、非効率だった業務で発生した残業代などを、新規ビジネスモデルや更なる業務の効率化への投資に充てましょう。より生産的な活動に使うように転換させていくことも必要でしょう。
業務の標準化
生産性を高めるには、業務の標準化も行いましょう。標準化とは、業務の多様化、複雑化、無秩序化を防ぐことです。そのためには、仕事のやり方(いつ、誰が、何を、どのように、どの順番で行うか)を定める、つまり業務フローを作り、全員がその業務フローに基づいて仕事をすることが大切です。ITやAIを取り入れ、人間の手を借りず正確に効率的に作業を行う仕組みを作り、ITやAIでカバーできない業務を人手で行う仕組みを作ります。初期投資にそれなりのコストがかかりますが、いずれそれ以上の収益が見込めると考えます。
自分で稼ぐ力を身に着ける
これは、評価体系に個人主義をより取り入れたり、会社以外でもスキルを磨いて自分で利益を生む人材になることです。企業ではすでに少しずつ「能力主義」に変わってきていますが、まだまだそう言った働き方を嫌う世代や、実際に機能していない環境も多いです。また、副業などを通して、「個人」で稼ぐ力を身に付け、それを組織に還元する仕組みを作れば、組織にとっても、個人にとってもwin-winです。
日本はもはや後進国!日本社会に埋もれず生産性の高い働き方を身につけましょう
日本はもはや後進国とも言われています。日本がこれからも成長し続けるためには、昭和の働き方を改め、組織に依存した働き方→個人に焦点を当てた働き方へ変えていき、IT・AIを取り入れ無駄なコストの排除・効率化を測ることが大切です。これから前向きに変わっていくと信じて、明日からも明るくサラリーマンしましょう。