「今すぐにでも会社を辞めたい!」「転職してキャリアアップしたい!」
こんな考えに至っているあなたは、ぜひ「退職届」についてしっかり学んでください。
退職する際は必ず提出するものであり、退職届の効力をきちんと知らないと意外な損をすることもあります。
会社を退職する際は、大概の場合、揉めごとが発生するもの。当たり前の話で企業もあなたを採用するのに多少なりともお金と時間を費やしているのですから、簡単に辞められては困るからです。
ですが、あなたの人生はあなたのもの。どの会社に勤めるかはあなたが決めていいのです。ですから、会社を辞める際の手続きについても、きちんと知っておくべき。
まずは知識をきちんと得るところから始めましょう。
退職届を出せば必ず辞められる? 法律ではどうなっているの?
退職届はその効力について、きちんと法律で定められています。
法律で定められているということは、日本という国が退職届の効力を認めていることになります。ところが、日本に住む会社員は退職届の効力をきちんと知らないことが多いのです。
ここでは、退職届について皆さんが抱えている疑問を解消していき、その効力について学んでいただくために、項目をまとめてみました。
読むだけでスッキリと退職届の疑問が解消されるはず。
さぁ、まずはそれぞれの項目をしっかり読むところから始めましょう。
「退職届の効力」は民法で定められている
退職届の効力は、「民法第627条」で定められています。
簡単にまとめると、会社に勤める会社員は「2週間前に退職届を提出すれば、必ず退職できる」と定められています。つまり、どんなに繁忙期であろうが、あなたが大事な役職を勤めていようが、法律上は退職届を2週間前に提出すれば、誰でも会社を辞められるのです。
ただし、会社には「就業規則」が存在します。就業規則に「退職の際は3カ月間に退職届を提出すること」と書かれていたりします。あなたは就職する際に、就業規則に同意していることになるので、円満な退社を望むなら就業規則に従うことをおすすめします。
とはいえ、日本では就業規則よりも法律のほうが効力は強いので、絶対に2週間後に辞める、と決意しているならば、堂々と辞めても大丈夫なのです。
「退職届」って「撤回しても大丈夫」って本当?
退職届は基本的に撤回が認められていません。会社とあなたが合意の上で、あなたが退社することを認めた状態であると、さらに撤回は難しくなります。
この会社とあなたが互いに合意した状態が、どういった状態を指すかと言うと、基本的には会社側があなたの退職届を受理した瞬間、と考えられています。
ですから、退職届を提出する時は「絶対に辞める」と決意した時にしましょう。
撤回することもできなくはないですが、大体の場合、揉め事が発生するので喜ばしいことではありません。
「退職届」は「いつから提出していい」のか?
先述したように、退職届は退職する2週間前に提出すれば法律的には問題ありません。
ただし、月給制の場合、月の前半に退職届を提出するとその月の月末に、月の後半に退職届を提出するとその翌月の月末に退職することを認められます。
逆に年俸制の場合は、極端な話ですが、明日から行かなくていい、となることもあります。
会社に給料制によって退職届を提出するタイミングは変わってくる、と覚えておきましょう。
立つ鳥跡を濁さず——上手に「退職届の効力」を発揮するコツ
誰だって会社を辞めるときは、会社と揉めずに辞めたいものですよね。
いくら法律で2週間前に退職届を提出すればいい、と認められているとはいえ、そんな辞め方をしようとすれば会社側から反感を買うことは目に見えています。
立つ鳥跡を濁さず、とはよく言ったものです。
会社をスマートに辞める方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
6カ月前に「辞めたい」ことを相談する
会社を辞めることを決意したら、まずは直属の上司に会社を辞めたいと考えていることを相談してください。
基本的には止められることでしょうが、そこで引き取められてももちろんOK。ただし、6カ月前に相談していきましょう。
いわばジャブを打っておくようなものです。
あなたが辞めたいと考えていることを、周囲にアピールしておくことが大切なのです。
3カ月前に「退職願」を提出する
ジャブを打ち終えたら、3カ月前に退職願を提出します。
この時点で、退職が認められるケースも多々あります。
退職願は、退職届と違い撤回が認められています。これも会社次第、というのが正直なところではありますが、考えを改めることも可能なのです。大体の場合は退職願を提出した時点で、じゃあ辞めるための準備に入りましょうか、という形になっていきます。
退職願から退職届という順番を守ればOK、と覚えておきましょう。
1カ月前に引継ぎを行ない「退職届」を提出する
さぁ、実際に1カ月前になったら「退職届」を提出しましょう。ここまでくれば、あなたの退職は絶対に認められます。
ここからはスマートに会社を辞めるために、きちんと引継ぎを行う期間にしましょう。営業先に挨拶に行ったり、会社の上司、同期、部下に仕事の引継ぎをしたり、そうした細かいことが、巡り巡ってあなたの仕事の腕を上げるものです。
ぜひ、退職届のスマートな提出期間を守ってみてくださいね。
「退職届」についてしっかり知らないと損をする!
ここまで退職届の効力についてまとめてきました。
あなたが知らなかった事実も沢山あったのではないでしょうか?
何かを知らない、ということはそれだけで損をすることが多々あります。ましてや、退職届は会社を辞めるための手続きですから、きちんと知っておいて損はありません。
今の会社を辞めたくなったら、この記事に戻ってきて、あらためて退職届の効力や提出法を学びなおしてくださいね。