サラリーマンともなると、仕事が終わらず家に帰れないといったことが日常茶飯事です。一時的に忙しく、どうしてもやらなければならない場合であれば「まあ仕方がないか」と頑張れます。
一方で来る日も来る日も残業が続き、深夜に働くことが常態化している人を見かけます。こうした場合、心身共に疲労だけが蓄積し最悪の場合、「病気になる」「心が病む」といったことが起こりえます。
「普段から仕事が終わらず帰れない」
こうした状況に陥るのには理由があります。
あなたの人生にとって害悪でしかない「恒常的な残業」を撲滅するためにその原因と対策について探ってみたいと思います。
なぜ仕事が終わらないのか、その原因を探る
仕事が終わらない、なぜこういった事態に陥ってしまうでしょうか。
こうした問いかけをすると多くの場合、
「時間管理ができていない」
「仕事の優先度を決めていない」
「ToDo管理ができていない」
というありきたりな答えが返ってきます。
これは解決策を提示しているようですが見方が間違っています。そんなことはわかっています。問題は「そもそもなぜこうした状況が生まれてしまうのか」まさにこの点にあります。
これを知る上で、まず「仕事が終わらなくなってしまうのはどのような状況なのか」について見ていく必要があります。
仕事の量が多すぎる
仕事が終わらないということは自分が処理できる仕事量を越えていることに起因します。自分の処理能力を越えているのですから終わるわけがありません。単純に量だけが多いのであれば、量を減らせば済むので対策が打ちやすいと言えます。
人によっては「スキルアップして効率を上げよう」という解決策を提示する人もいるでしょう。ある程度はそうかもしれませんが、このアプローチは間違っています。もし、あなたが仕事を覚えたてで効率の良い仕事のやり方、もしくはちょっとズルをする方法が身についていないのであれば正解と言えます。
しかし、社会人として既に何十年も経ち、効率よく時にはズルしてやっているのに仕事が終わらないのであれば、もはやスキルがどうという問題ではないのです。
無理難題を押し付けられる
仕事の量はさほどでもないけれど仕事が終わらないパターンがあります。無理難題を押しつけられ仕事そのものが止まってしまう状態です。このパターンは非常にたちが悪いと言えます。単純に量が多いだけであれば流れ作業でこなしてしまえばゴールは見えてきます。
しかし、この場合にはそもそもゴールが何なのか、どこにゴールがあるのかわかりません。仮に無理をして仕事を完了させたとしても、翌日待ち受けているのは「やり直し」という悲劇です。
こうなると、何が正しいのか正解がわからなくなります。まさに無限ループに陥るとはこのことなのです。結果として、ゴールが見つかるまで永遠に呪縛から逃れることができなくなります。
不可効力で終わらなくなる
突発事項が発生し、自分が抱えていた仕事とは別の事柄に対応しなければならなくなった場合がこれにあたります。仕事の優先順位が変わったとも言えるでしょう。しかしながら、自分の仕事そのものが減るわけではありません。新たに対応し始めた仕事が増えてしまうことになります。
とは言うものの、このケースはある意味ラッキーだと言えます。なぜかというと周囲の人があなたを頼りにしているからです。ある程度あなたに裁量が任せられていることになります。もし、突発事項に対応しきれればあなたの評価はうなぎ登りのごとく上がります。周囲からの信頼度もさらにあがるでしょう。
こういったケースでは、積極的に頑張ってみることをおすすめします。
仕事を終わらせるためのコツとは
突発的な仕事の依頼については致し方ない面があるものの、いずれのケースにしてもあなたの負荷が上がっていることに変わりはありません。
仕事が終わらないことは辛いものです。
そこで、仕事が終わらない時の対処法について考えていきたいと思います。
自分のスキルと仕事量を把握しよう
まず、日頃から自分の能力はどの程度なのか、どのぐらいの仕事であれば処理が可能かという点について把握しておくことが重要です。
そうすれば、いざ仕事を大量に押しつけられそうになった際にも理路整然と断ることができるからです。あるいは、仕事の内容について明らかに自分が対応できない時にもきちんと断ることができます。言うなれば、この仕事は自分のキャパシティを越えているということを客観的に証明することができるのです。
きちんと説明ができれば周りからの賛同も得られやすくなります。
逆に何の根拠もなく、仕事が終わらないと嘆いていると単に不満を言っているように取られかねません。
客観的な状況を踏まえた上で、できないことはできないと明確にすることが重要です。そのためにもまずは己を知ることから始めましょう。
できない時はできないと言う勇気を持つ
仕事の量が自分の処理能力を越えてしまいそうな時は、これ以上仕事を受け持つことができないことを素直に言いましょう。
中には根性論を振りかざす人がいるかもしれません。しかし、いくら何を言おうが無理なものは無理なのです。我慢する必要はありません。出来ないという意思を示すことは非常に勇気がいることです。性格的に断りにくいという人もいます。自分には能力が無いと思われたくないと意地を張る人もいます。
しかし、考えてみてください。
仮に引き受けてしまった後で
「やっぱりできそうにない」
と言う方がさらに勇気がいるのではないでしょうか?あるいは、もっとかっこ悪くなってしまうのではないでしょうか?
自分自身を客観的に見ることができ、弱みを見せることができる人の方が実はカッコいいのです。
周りの人に助けを求める
一人で仕事が終わらないわけですから、思い切って周りに助けを求めましょう。
中には
「自分の仕事でしょ?」
「それがあなたの仕事でしょ?」
などと非協力的な態度を示すような人がいます。しかし、こういった人こそ、組織にとっては単なる害悪でしかありません。このような態度を取られた場合には、その人が非協力的であることをアピールしましょう。
「〇〇さんに頼んでみたんだけど、渋られちゃったよ」
などとさりげなくアピールしてみるのが効果的です。
助けを求めるときに忘れてはいけないことがあります。仕事を引き受けてくれた人への感謝の気持ちです。その人は、あなたにとって頼りがいのある味方なのです。もし仕事を引き受けてくれた人が困っていたら積極的に助けてあげましょう。何事もギブアンドテイクです。持ちつ持たれつ、そういった積み重ねが信頼関係を築くことになります。
あきらめて帰る
それでも仕事が終わらない、そんなときは思い切って帰りましょう。
頑張ってもできないものはできないのです。無理やり頑張ったところで疲労感が残るだけです。おまけに、翌日以降のあなたのパフォーマンスに重大な影響を与えます。頑張った挙句、パフォーマンスが落ちて評価も落とす、これほど馬鹿馬鹿しいことはありません。
疲れた時は、
「帰ろっか…」
と一息ついて諦めて帰りましょう。
明けない夜はありません。明日なんとかなるでしょう。
仕事は腹八分目にしてみよう
いかがでしたでしょうか。
仕事が終わらない原因は様々ですが、大切なことは一人で抱え込まないことです。
責任感が強いあなたはついつい一人で頑張ってしまうかもしれません。しかし、それは自分が損するだけです。ババ抜きでババを引いているのと同じことなのです。
何より、会社が組織である以上、組織で仕事に対応することは当然のことです。それをだれか一人に擦り付けるということ自体が間違っています。
何事も腹八分が一番です。
仕事が終わらない時、そんな時は思いっきりため息をつき「こんな時もあるさ」と軽く考えるようにしましょう。こんなほろ苦い思い出も、いつの日かあなたにとって笑い飛ばせるような武勇伝となるのです。
あまり無理せず、マイペースで頑張りましょう!