会社に関する格言は様々あります。
その中の一つ、
「上司は選べない」
これもよく聞く格言の一つです。
実際、身の回りにはクズと呼ばれる上司がたくさんいます。会社にいる以上、こうしたクズ上司に対峙していかなければなりません。ただし、やみくもに対応していたのでは自分自身が疲弊してしまいます。時には理不尽な扱いを受けてしまうこともあるでしょう。
クズ上司を相手にする時は、「クズはクズだ」という前提に立つ必要があります。その上で、クズを使いこなすためにはいくつかのコツがあります。
今回はあなたの身の回りにいるクズ上司の特徴といかに対処していくかという点についてお話したいと思います。
身近に生息するこんなクズ上司
クズ上司と言われて様々な特徴を思い浮かべるでしょう。
正直、クズさを挙げればきりがありません。ネット上で検索してみても、クズの特徴は五万と紹介されています。どれを取ってみても、「なるほどその通り」と思うものばかりです。
その特徴について大まかに分類するとこのようになります。
強気を助け弱気を憎む
まず一番多いのは、「自分の上司にヘラヘラ媚びへつらい、部下に対してきつくあたる」上司です。自分より力の強いものに迎合し、自分より力の無いものに対しては怒鳴り散らす、罵声を浴びせる、嫌みを言う、こういったタイプです。ここでいう「力」とは、会社によって与えられた職位のことを指します。決してその人自身に優れた能力があるわけではありません。
こうしたタイプは権力に弱く見栄っぱりが多い人が多いと言えます。つまり、自分が所属するヒエラルキーの中でしか物が見えていないのです。そのため、このヒエラルキーから一歩離れた途端に自分の自信の無さが顕著に表れるタイプであるとも言えます。
とは言うものの、くだらないプライドだけは高いので何とか恥をかかないようにもがき苦しむ可哀そうな人であるとも言えます。
判断力が無い
あなたが仕事上で困ったことがあった時、あるいは判断がつかない時、こういった時に相談しても何もできない上司がいます。こういった上司もクズ上司の代表例であると言えます。
こうしたタイプは自分の能力がないにも関わらずなぜか職位だけが上がってしまった人に多く見られます。つまり、仕事での経験値が全くない人であると言えます。判断を求めても、
「うーん…」
「〇〇さんに聞いて」
「わからない」
「困っちゃったねぇ」
こうした言葉のオンパレードです。
性格的にも優柔不断、普段からオロオロしている、もしくはキョドっていることが多いのではないでしょうか。判断力が無い原因は、その人の性格的な問題の他に自分が置かれている環境が不遇(判断したところでお飾りでしかない)、責任感がない(自分で責任を取りたがらない)など様々です。
いずれにしろ、部下にとっては迷惑この上ないことです。
いつでもイライラ
このパターンも職場でよく見かける典型的なクズ上司です。
何だか知らないがいつもカリカリしていて近づき難く、業務上仕方が無いので話にいくと怒りの感情をぶつけてきます。こちらとしてはたまったものではありません。
さらにクズ度が増すと怒号、罵声、罵り、ついには暴力に発展するケースも見られます。
こういったパターンは日常生活において自分の欲求が満たされない人に多く見られます。自分の欲求が満たされずイライラし、そのストレスを他人に発散しているのです。単にカルシウム不足であればサプリメントでも飲んでいただければ解決するのですが、自己欲求、他者からの承認欲求、受容性の欠如などメンタル面での問題が多いため、対応するのも大変です。
やたらと自分を正当化する
クズ上司の中には自分の理論をやたらと振りかざす人もいます。いわゆる「部下の意見に耳を傾けない」タイプがこれにあたります。
とにかく自分が正しいと信じてやまないため何を言っても聞き入れようとしません。一方的に自分の思っていることを延々としゃべり続けます。中には禅問答のような問いかけをするクズもいます。答えに窮すると「それ見たことか」と再び持論を展開し始め、それが延々と続きます。
このタイプは頭が固い頑固者でプライドだけが高い人に見られる傾向です。つまり、柔軟性が無いため他人の理論を受け入れることができません。プライドが高いので部下の意見を受け入れることは敗北したと勘違いしているのです。
このタイプの厄介なところは対応している側の精神的苦痛が半端無いことです。他のタイプと違って理性的に振舞っている(フリをする)ため、なまじ相手にしないこともできず、ネチネチしているため苦痛の度合いが桁違いに違ってきます。
クズ上司へはこう対処すべし!
こうした「世にはびこるクズ」を無視できればいいのですが、現実的には何かしら関わり合いを持たざるを得ません。
こうしたクズを相手にする時には工夫が必要です。そうしなければ、あなた自身が疲れ切ってしまいます。ずばり、このような点を意識して対応してみましょう。
クズだという前提を持つ
まず認識すべきことは「クズはクズでしかない」ということです。
打って響く人であれば、あなたの進言に対して反省し、考え方や物の見方を変えてくれるかもしれません。そういった上司であればラッキーですし、物の分別があるのでクズではありません。
しかし、ここまで来てクズなのであればもはや治ることを期待するのは無駄骨です。「こいつはクズだ」という前提をもって対処する方が現実的な対応と言えます。無駄な時間とエネルギーの浪費をせずに済みます。
あまり関わらない
よくありがちな方法ではありますが基本は関わらないことです。わざわざストレスを溜める必要はありません。業務上必要最低限なことだけ関わるようにしましょう。
野生の動物でも、自分に危害を与える恐れが無いものに対しては襲ってきたりしません。クズ上司はある意味動物的な面もあるため、動物の本能に近い対処をする必要があります。
それでもストレスがかかってしまうかもしれません。
そんな時は、
「この人は動物なんだ」
と心の中で思いつつ、動物愛護精神を持って接してあげましょう。
とりあえず肯定してやる
クズ上司は自己肯定されると喜ぶ習性があります。先ほどご説明した通り、プライドがやたら高いからです。こういった人は単純なので、褒めてあげることが極めて有効な対処法となります。
表面上で構いません。とりあえず褒めてあげましょう。
「褒める子は育つ」という格言もあるぐらいです。伸びしろがあるかどうかは置いておき、まずは褒めてあげましょう。
もし、褒めることに対して嫌悪感があるのであれば、餌を与えているぐらいの気持ちで寛容的になりましょう。ここでも動物愛護精神が生きてきます。
コンプライアンス窓口へ相談
それでもどうにもならない場合、会社のコンプライアンス窓口に相談する手もあります。これは、罵声を浴びせる、暴力を振るう、人間としての尊厳を欠くような発言をした際に極めて有効です。
その際、周囲からそれとなく状況を聞いて周りも同じような感情を持っているということを確認しましょう。要するに味方を多くつけるという意味です。
これは、クズ上司を村八分にするという意味ではありません。
コンプライアンス窓口に相談した場合、担当者が社内調査を行います。ヒアリングというやつです。ここでは当事者のみならず、上司、同僚、他部署で仕事上関わりがある人などあらゆる関係者に対して調査が行われます。コンプライアンス窓口はコンプライアンス違反に対して行動を起こしてくれます。そのため、何がコンプライアンス違反なのか、相談できることは何なのか事前に知っておく必要があります。
こうした対応を取る場合には客観的な事実が重要です。周囲も同じように感じているのであれば、客観的に見てクズ上司に問題があるという結論に至ります。そうでなければ、あなたはただ単に愚痴を言っているだけだと思われてしまうでしょう。
周囲から賛同を得るために下手な工作をする必要はありません。クズは誰から見てもクズなので、ありのままを周囲の人と確認し合うというスタンスで大丈夫です。
どうにもならなければ異動、転職も選択肢に
それでもどうにもならなければ、クズ上司とは決別しましょう。異動願を出すか転職してしまうのです。
クズ上司ごときで自分のポジションが変わってしまうことはしゃくに触ります。しかし、クズ上司がいる限りあなたの人生は好転しません。むしろ、クズによってあなたの運気が吸い取られてしまうのです。腐ったミカンは周りのミカンをもダメにするという台詞もあります。
あなた自身が腐ってしまわないように危機回避をすることはあなたが持つ当然の権利なのです。
クズを活かすも殺すもあなた次第
会社という組織の中には様々な人がいます。
時々、あなたは「自分は会社の部品だ」などと思ったことがあるかもしれません。クズ上司に関しても所詮会社の部品でしかないのです。ただし、クズ上司は能力を発揮していない不良品です。ここが根本的にあなたと違う所です。
あまりいい例えではありませんが、冷静に、真面目に、コツコツと仕事をこなしているあなたの方が、たとえ部品だったとしても実に優秀であると言えます。
ただ、そんなクズ上司であっても、あなたが上手に取り扱ってあげることで少しは光を取り戻すかもしれません。ここはあなたの技量の見せ所です。
柔よく剛を制す
自分の柔軟性を高めるためにも、優秀な猛獣使いになれるように頑張りましょう!