ビジネスの現場でよく言われる、「P/L」「B/S」「C/S」の財務諸表。
営業の方などは「クライアントの決算書は必ず目を通して経営状況や事業を把握しておけ」なんて良く言われますが、 果たしてこれらを理解しているサラリーマンはどれだけいるのでしょうか。
今回はそんな財務諸表(会計知識)の成り立ちから理解できる本の紹介をします。
P/LやB/S、なんとなくわかったつもりになってない?
「P/Lで考えれば~」や「B/Sで考えると~」みたいな言葉が会社でよく飛び交う日常。
ググってみればわかる通り、
・P/L=損益計算書。一定期間の収益や費用、利益をまとめたもの。超簡単に言うと事業の通知表みたいなもの。
・B/S=バランスシート。貸借対照表。どれくらいの資金を調達・借入し、それがどのような状態(固定資産などの設備や現金、投資等)になっているかをまとめたもの。超簡単に言うと会社の健康診断書みたいなもの。
上記くらいの基本なことは調べられます。
※サラリーマンの実態としては、これすら知らずにビジネスしてる人も多いのが現状です。。
事業決済者や経営層相手でのビジネスであれば、上記のような知識は現場で必須となり、 「生きた決算数字」が感覚レベルで身につくこともあります。しかし、 一般的な20~30代サラリーマンでこの財務諸表を本当に理解されている方は果たしててどれくらいいるのでしょうか。
主観ですが、概念だけ把握していて、何故その財務諸表が必要なのか理解できている方は多くないと思います。
加えて、概念の把握はできているものの、会計の背景を理解できていないばかりに、「見方のポイント」がわからない方も同時に多く存在するはずです。そういった方が多い背景として、自身もそうだったのですが、会計という言葉を聞いて「難しい」と拒絶反応を多くもってしまっている人が多いと筆者は考えています。
「会計知識は経理や財務、コーポレート部署の仕事で、俺は関係ない」と思っていませんか?
勿論、専門的な知識については会計知識は会計士の先生に頼ることが必要ですが、 最低限の会計の知識を「知っている」ではなく「理解できている」ことは、ビジネスマンの「当たり前」になります。
余談ですが、会計の知識はクライアントとの相対でももちろん必要ですが、自分のいる会社の状態を把握する点についても重要です。 自社の経営状況を把握せずに、自身の給料や与えられた予算・経費などがどのように使用されているかを俯瞰して見ることができないまま、 自身の置かれた環境について居酒屋で同僚・部下と嘆く、みたいなステレオタイプにはなりたくないものです。
会計の成り立ちや本質を歴史から学べる本、「会計の世界史」
筆者は新卒時代に「営業するなら簿記を勉強しろ」と上司に言われ、半ば思考停止状態で簿記の勉強を始めました。
しかし、当時自分の置かれている環境と一見縁遠く、硬く見える会計知識。頭で知識としてはあるものの、生の感覚として身に付いていない、という状況がありました。
最近、そんな当時の私に渡したい本を見つけました。
『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』
田中 靖浩 著
この本、本当におすすめです。
レオナルド・ダヴィンチの時代からエジソン、ビートルズ、現代まで。世界の歴史において「会計」がどのように生まれ、どのように進化・変化を遂げて今に至っているのかを 上記のような偉人や国々、文化の物語とともに説明してくれています。各章は歴史の事実に基づいた伝記のような形で構成されているので、かなり頭に入ってきます。
発明は需要から生まれます。
これを読むと「帳簿」や「B/S」というような発明品が何故必要になったのか、 というような本質的な知識につながるストーリーをビジネスの歴史を紐解きながら理解することができ、 「生きた会計」を体験することができます。 読んだ後には、この内容を誰かに話したくなることでしょう。
最後に
繰り返しになりますが、今回紹介した本は本当におすすめです。ビジネスマン向けの本としての紹介になりましたが、小学・中学・高校生レベルで読むべき本だと思います。(私も学生時代に出会いたかった。。)
ちなみに、決算書の基本概念をわかりやすくまとめているものでは、以下のページがおすすめなので、是非一読してみてください。
【改訂版】世界一わかりやすい?決算書の読み方
https://www.stockclip.net/notes/5325
2017年最後に抑えておきたいビジネスの基本概念7個
https://note.mu/tck/n/n6c2cfb70a473
紹介した上記のページではかなりわかりやすく簡潔にまとめられていますが、この本を読んだ後にもう一度訪れると、その見え方が全く違います。かなり立体的に深く見えるようになります。